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「藤岡とうふ店」三代目 藤岡麻夫さん

「そここだわりですね!」
「いや普通です(笑)」

編集長 常松
お豆腐というと、スーパーに売っているお豆腐のパッケージを見ても、テレビで取材されたお豆腐屋さんを見ても、最近はどこも素材や製法にこだわっていますよね。「藤岡とうふ店」のココこだわってます!というところを教えて下さい。
社長(麻夫さん)
こだわりって特にないですね。
編集長 常松
え〜っ(笑)
社長(麻夫さん)
うちは祖父の代から始めて、父が継ぎ、今は息子の私が代替わりしているんですが、昔からやっていたものをそのまま受け継いでやっているだけというか、もちろん新しいことも取り入れてはいるんですが、
「伝統を守っている」みたいなこだわりを持っているわけじゃないんですよ。昔からやってきたものをあえて変える理由がないだけで。

よく大豆にこだわってますよ、というお店がありますよね。もちろん高い大豆もあれば、安い大豆もいくらでもあります。
でもぼくが教わって経験したのは、いい大豆のほうが量がとれるんですよ。
社長(麻夫さん)
例えば1袋30kgで1000円安いですよ!と大豆屋さんが売り込んできたとしても、実際作ってみたら、250丁とれるところが200丁しかとれないことがある。要は豆の品質のせいで歩留まりが悪くなるんです。結局50丁多くとれたほうが採算が合うわけですよね。
だったらいい大豆をほうを使うほうが得じゃないですか?

うちでは茨城産の「タチナガハ」という大豆を使っていますが、「水と豆腐は旅させるな」という言葉聞いたことはありませんか? 要は日持ちしないからなんですよね。
いい大豆はもちろん全国にありますが、ぼくたちにとって「いい大豆」とは何より地元茨城のもの。
食べ物は何より鮮度が肝心ということです。地元の人が作ったものを新鮮なうちに地元の人に食べて頂く。地産地消って要はこういうことなんです。
だから豆腐は朝作ったものを、その日に出すのが基本です。
編集長 常松
お豆腐屋さんって朝が早いってイメージありますよね。
社長(麻夫さん)
社員の中で一番早いのは夜中の11時にきますよ。
編集長 常松
もはや前日じゃないですか(笑)
社長(麻夫さん)
ボイラーをつけて準備をはじめて日付が変わったらすぐスタートできるようにします。機械にタイマーが入っていて、日付超えないと機械が動かないようになっているんですよ。
もし11時に作ったら前日製造になってしまいます。当日製造ってウソはつけないんです。
編集長 常松
そここだわりですね!
社長(麻夫さん)
いや普通です(笑)
よくテレビなんかでお豆腐屋さんが、うちだけのこだわりとか製法とか言っているのを見ますが、ぼくからしてみてばそんなのあたりまえだよね、みたいな(笑)
編集長 常松
いいますねぇ〜(笑)
社長(麻夫さん)
業界の人からみたらあたりまえだよってものが、一般の人にはまったく知らないことって多いじゃないですか。例えば【にがり】って何からできてるの?って明確に答えられる人はそうはいないですよね。
編集長 常松
確かに、「にがり」って知ってそうでよく分かりません。
社長(麻夫さん)
にがりって、単純に言うと海水から塩をとったものなんですね。その塩の精製工程からにがりが摂れるんですが、例えば赤穂の塩が有名ですよね。赤穂で塩をとった副産物がにがりなんですね。

脱サラをしてお豆腐屋さんをはじめる人が最近増えてきているみたいですが、彼らのほうがお豆腐へのこだわりを強く感じます。プロモーションもうまいですよね。
ぼくなんかの根っからの豆腐屋と違って、やっぱり豆腐を知らないゼロからスタートしている分、ぼくたちからしたら普通のことが特別に感じるのかもしれません。皆さんが以前より豆腐の品質を気にかけるようになったのは、こうした若いお豆腐屋さんの方々の発信力のおかげもあると思います。だからと言って「うちだってこだわってます!」って対抗する気はさらさらありませんが(笑)だってそういう感じって「藤岡とうふ店」らしくないじゃないですか。
編集長 常松
確かにそうですね。私にとって「藤岡とうふ店」は真面目で頑固、でもとっても親しみやすいイメージ。そこを派手にPRしちゃったら違うな〜と思うかもですね。

同じお豆腐に見えても、
私たちから見たらやっぱり出来不出来が正直あります。

編集長 常松
お豆腐って日によって味は違うんですか?
社長(麻夫さん)
違いますね。
例えばお豆腐作るときのイメージってどんな感じですか?
よく皆さん、豆乳が型に入っていて、にがりを入れて、にがりと豆乳を合わせるところのイメージがありますが、お豆腐っていろんな工程があって、全部の工程でどれか一個でも失敗するとまずくなっちゃうんですよ。例えば季節の変わり目とかは一番出やすくて、豆を水に浸すんですけど、水温によって時間が変わるんですよ。うちは地下水を使っているので、水温は比較的一定に近いんですが、外気温の影響は無視できません。今日なんて12月といっても20℃を超えてるじゃないですか。当然いつも通りに作ってしまうとまったく違うものになってしまいます。なので微調整がとても大切なんです。
編集長 常松
その調整が職人の技ってやつですね!
社長(麻夫さん)
まあそれこそ長年の経験ですよね、祖父の代からの。あれ?今日はいつもより柔いよねってなれば、なるべく均一な品質になるように微調整を繰り返します。例えばヨシケイさんに出しているお豆腐で木綿豆腐とかは、ピタッと平らになっているものと、ボコッと膨らんでいるものと、日によって違っているのに気づかれています?
編集長 常松
言われてみれば、、確かにありますね。
社長(麻夫さん)
盛ってる量は同じなんです。でもその日によって濃度が濃いやつは、同じ量を盛っても落ちないんですよ。かといって濃度が薄いとプレスすると、しぼれ過ぎて薄くなってしまう。

同じ一つの玉で100丁分ぐらいできるんですが、その100丁はうまく寄せられても、次の100丁はうまくいかない時もあります。なので、基準以下と判断したら破棄しますが、日々微調整をしていても誤差というものはどうしてもでてきてしまいます。その辺は手作りで作っていることの証でもあるんです。
編集長 常松
そんなに毎回変えないといけないんですか?
社長(麻夫さん)
そうですね。豆を漬ける時間や、「目立て」といって石臼ですりつぶす細かさを変えてみるとか。やれることはいくつもあります。豆のふやけ方が毎回少し違うので、あまり水を吸収しない時は豆自体が固いので少し強めにプレスする必要があります。あと豆をするときに「加水」と言って水を加えながら豆をするんですけど、気温が高くなると豆が水を吸いすぎるので、加水の量を調整したりします。
社長(麻夫さん)
皆さんには毎日同じお豆腐に見えているものでも、日々微調整で品質を出来る限り同じように近づけているんです。これはもうこだわりとか自慢ではなくて、経験と積み重ねだけで、今日はうまくいった、今日うまくいかなかった、を毎日試行錯誤しているだけですね。同じお豆腐に見えても、私たちから見たらやっはり出来不出来が正直あります。

納豆とか煮豆とかって豆をそのまま食べますが、豆腐はすりつぶして大豆の中のたんぱく質を抽出しなくちゃいけない。それがうまくいかないと、要は「おから」って廃棄物なんですが、そのおからにたんぱく質が残って、肝心の豆乳にたんぱく質がこない。お豆腐屋さんからしたら、いかに「おから」を、栄養も何も残らないただの絞りかすにできるかが勝負なんです。そこでいい豆乳ができないと、おいしい豆腐は出来ません。

正直、いい豆乳さえできれば、その後の豆腐作りなんて誰でもできますよ(笑)
よく職人技とかいって豆腐作りを紹介してるけど、あれなんてあたりまえで、1週間から1ヶ月学んだら誰でもできるこ〜とですよ。どこが職人技なんだよっって!
編集長 常松
よっ!だんだんと毒づいてきましたね〜(笑)
編集長 常松
ところで麻夫さんはどのように豆腐作りの知識を学んだんですか?
社長(麻夫さん)
小学生のときから豆腐作りをずっと手伝っていたからね。 朝の4時とか5時に叩き起こされて手伝ってから学校にいく毎日でした。それがあたりまえでしたけど、いやだったな〜。
編集長 常松
やっぱりお父さんは厳しい?
社長(麻夫さん)
厳しいというか、うちの父はとにかく口が悪くて、すぐケンカ腰でくるんですよ。でも親子なんで、あれこれ言われると頭にくるんですね! 例えば相撲の貴乃花のような親子で師匠と弟子みたいな関係があればいいけど、正直、尊敬もなにもなかったですけどね! あくまで当時ですよ(笑)
「このくそじじいをいつかギャフンと言わせてやる!」ぐらいの感覚でした。でもそれが良かったんじゃないですか?
ちゃんと継いでるし(笑)

藤岡とうふ店

昭和2年創業。自然の味、昔の味を大切にし、安全で安心できる本物の豆腐作りを行っています。3代目社長の藤岡麻夫さんと、会長の藤岡正勝さんにお話を伺いました。







地下水

130mの深井戸から汲み出す水は、余分なミネラルが入っていない軟水です。無味無臭なので素材の香りが引き立ち、料理に最適なので、地元の方も水を汲みにいらっしゃいます。







お豆腐

ヨシケイミトで使用している藤岡とうふ店のお豆腐です。懐かしの味がお客様から喜ばれています。


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